「飽食の時代」といわれながらも,現代日本では食生活がかなり偏って
きています。ひとくちでいえば食の西欧化が進み,油脂をたくさん使った
ものや甘いもの,高エネルギー食品が用え,エネルギーの吸収効率がたか
まってきました。その半面,野菜,雑穀類など食物繊維のような低エネル
ギー食品成分や,ミネラル,ビタミンといった微量栄養素を含む食品の摂
取量が,非常に少なくなっています。
この変化がおきた時期は,高度経済成長期とだいたい一致しています。
国民栄養調査で脂肪の摂取割合の変化を示すグラフがありますが,1950 年
代半ばすぎから脂肪摂取量が急激に増えます。それまでは脂肪摂取量が食
事全体の10% 以下だったのが,急に20% をこえました。最近,それが25%
ぐらいになってからは,ほぽ横ばいか芦干高めです。その調査に,どうい
う食品が増えて,どういう食品が減ったかのデータも出ていますが,牛
乳・乳製品,動物性食品が増えてきて,お米の摂取訟は大きく減っていま
す。
各食品成分の栄養価も,昔と今ではちがいます。分析方法が進歩してい
るので,昔と今のデータを単純に比較できませんが,自然のものと栽培さ
れたものとでは栄養価がずいぶんちがいます。農産物は土壌からミネラル
などを吸収していますので,土壌の質が低下してミネラlレが不足した状態
では,作物に含まれるミネラルの量が減ってきます。化学肥料で形は大き
くなるかもしれませんが,ミネラ/レが問題になってきているのです。魚な
ども養殖の魚と天然の魚では,えさや水の影響が出てきて,だいたい養殖
の魚のほうが油っぽく,天然のものは油が少なくなっています。
もう一つ大きな問題は,農薬や産業廃棄物などの有機水銀,ダイオキシ
ン,PCB (ポリ塩化ビフェニ/レ)汚染による食品の質の劣化です。また,
養殖魚、や護鶏で使われている抗生物質も問題です。自然界のもの自体の質
的低下と環境悪化による健康に対する問題が,さまざまにおこってきてい
ます。たとえば,魚はEPA (エイコサペンタエン酸)などの良い成分が
多いので勧められる食品ですし,EPA は胎児の脳の形成にとっても大事
です。しかし,有機水銀が含まれている種類は避ける必要があります。魚
によって有機水銀の含有量はかなりちがいます。有機水銀は胎児には非常
に敏感に影響します。成人にはそれほど影響はないかもしれませんが,胎
児には影響が大きいので,妊婦は有機水銀の多い魚はできるだけ控えめに
することです。
摂取量の目安は,内閣府食品安全委員会が有機水銀含有量と有害作用と
の関係を検討した結果を公表していますので,それに従うといいでしょう。
有機水銀の多い魚を選ぶ場合,マグロであれば週にl 回にするとか,注意
したらよいでしょう。マグロはおいしいし,たくさん食べたくなります。
食べてもいいけれども,毎円,マグロのさしみを食べるといったことは控
えたほうがよいと思います。E PA, DHA (ドコサヘキサエン酸)は背魚
に多く,背魚、には有機水銀があまり含まれていないので,小魚、を選べば影
響はそれほどありません。貝類では,有機水銀が高いのはエッチュウパイ
ガイ一つだけです。他の貝類は有機水銀含有並が少なしアサリ,ハマグ
リ,ホタテ,アワビ,すべて問題ありません。
今の日本人に不足しがちなミネラルは,カノレシウムと鉄とマグネシウム
です。ほかのミネラルは,一般的な国民調売では欠乏状態にはなっていま
せん。でも,それは大勢の人の平均値ですので,当然,少なめの人から多
めの人まで,かなりのばらつきがあります。おそらく潜在的な,あるいは
境界的な不足状態はあると思われます。
たとえば,ダイエツトブームで,ある特定の食品だけを食べてやせよう
とか,量を食べないでやせようということがありますが,これではミネラ
ルを含めて栄養的に偏ってしまいますので,新陳代謝そのほかにも偏りが
生じます。短期では健康障害がめだたないかもしれませんが,時間がたつ
につれて影響が出てくると思います。
最近,貧血はない,つまり血液中の赤血球の濃度を測ると正常だけれど
も,からだがだるい,疲れやすい,調子が悪いという女性に,鉄を補給し
たら元気になった,という例がよくみられます。こうした状態を潜在的鉄
欠乏状態と呼ぶのは,もう栄養学の常識です。鉄の場合には,栄養学的に
潜在的な欠乏症が非常にはっきりしているのです。
鉄の血中濃度は,フェリチンなど血中のタンパク質を測るとわかります。
血清鉄分を測り,これ以下は足りないという一つの基準値があるのです。
測ってみると,血清鉄は基準値内にあるけれども,鉄と結合するタンパク
質が増えてきているということもあります。からだの組織で鉄が足りない
ときに,一所懸命にタンパクをつくって補おうとしているのです。
鉄以外にも,潜在的欠乏はマグネシウム,マンガン,コバルト,銅,亜
鉛など,いろいろなミネラルにあります。鉄については検査で欠乏状態を
つかみやすいのですが,他のミネラルは異常が見つけにくいのです。から
だの調子が悪い人のなかにはこれらのミネラルが潜在的に不足している可
能性が非常に大きいと思います。ミネラルは,血液中ではそれほど異常があります。
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